2018年「アメリカ中間選挙」について
過去50年で最高の投票率となるほどに注目を集めた11月6日のアメリカ中間選挙で、トランプ大統領の共和党は上院と州知事選挙勝利したものの、下院では野党民主党が8年ぶりに勝利して「ねじれ議会」となりました。
中間選挙の結果はトランプ大統領や日本にどのような結果を与えるのか解説します。
中間選挙はトランプ大統領の勝利
下院で敗北したトランプ大統領ですが、投票結果が判明した後にトランプ大統領は「今宵は素晴らしい成功だった。」「完全な勝利」だと勝利宣言をしました。
実は、最初からトランプ大統領は中間選挙の中でも上院と州知事選挙での勝利しか考えておらず、下院は眼中になかったので勝利宣言をしたのです。
実際、トランプ大統領は11月4日に「共和党が下院で負けても責任はないと」と表明しており、遊説でもオバマ元大統領は全州をまわったにもかかわらず、トランプ大統領は上院や州知事選挙に関係した場所は精力的に遊説したものの下院では僅しか遊説をしませんでした。
対して、勝利目標としていた上院では議席を伸ばすという快挙を為し遂げるほどの結果となりました。
州知事選挙も共和党は数人減らしたものの勝利をし、激戦州であるフロリダ州とオハイオ州でも勝利をしました。
更に、ビヨンセやテイラー・スウィフトといった影響力が莫大にある超大物歌手が反トランプを表明した為に、彼女たちが応援する場所での勝利が危ぶまれましたが、共和党がどちらでも勝利をおさめました。
ビヨンセやテイラー・スウィフトといった不確定要因を含めて上院・州知事選挙で勝利して目標を完全達成した為に、トランプ大統領は完全勝利を宣言したのです。
中間選挙は大統領選の為
トランプ大統領が上院と州知事選挙を重視したのには理由があります。
それは、2020年に行われる大統領選で再選をはたす為です。
上院は、最高裁判事や政府官僚といったメンバーを選ぶ為に欠かせない「人事承認権限」を持っており、政治を行いやすいメンバーで自身の周囲を固める事が可能になります。
また、「自由貿易協定承認権限」ももっており、トランプ大統領が重視する「二国間交渉」を進めて支持率を伸ばす事が可能になります。
州知事は、「選挙区区割り決定権限」を持っており、共和党に有利な区割りを設定して選挙を行って議席を伸ばし、トランプ大統領の再選の可能性を高める事が可能性をなります。
以上のような理由があってトランプ大統領は上院と州知事選挙を重視しました。
日本への影響
トランプ大統領が下院に負けた事で、トランプ大統領の経済政策にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。
しかし、マーケットは下院の敗北は以前から折り込み済みであり、株価などにはすでに反映されている為に、株価が過剰に下がる可能性は極めて低く、日本への影響は軽微と考えられます。