「A.L.C.貝塚学院」の突然の閉園と、これからの日本の子育ての苦しさについて
川崎市の「A.L.C.貝塚学院」が新年度を前に突如閉園を発表し、とても大きな波紋を呼んでいます。この施設は子どもを預かる認可外の幼稚園です。分類的には幼稚園類似施設で、子どもを持つ親にとっては欠かせない存在でした。
その施設が突然閉園して来年度以降の運営をもうしないというのですから、子どもを預ける予定だった保護者には寝耳に水のニュースになってしまいました。
今は子どもをどう預けて働くかが、子どもを持つ親の大きなテーマになっていますよね。共働きは普通ですから、父親も母親もともに働かないといけません。
子どもが成人して働くようになるまでは、最低でも20年ぐらいはかかります。
それまでは保護者である親が子どもの面倒を見なければいけないですし、小さな子どもとなれば余計にそうです。これが今の日本の一般的な家庭の現状ですから、日中に子どもを預かってくれる施設がどれだけ重要なのかよくわかります。
ただだからこそ、今回のような一件には親が困惑してしまうはずです。
すでに来年度の費用を支払っている人がいるためそのお金は返還されるのかどうかという不安、そして何より子どもを預けられなくなってしまう不安と、いろいろな不安が親には急にふりかかってきてしまったのです。
今から新しい施設を探しても、すでにどこもいっぱいなのはいうまでもありません。保育関連の政策によって都市部の待機児童は少しずつ減ってきてはいるようですが、まだまだ余裕がある状況にはなっていないのが現状です。
これでは親が安心して働けないですよね。
このニュースから浮き彫りになるのは、今の日本の子育て環境についてです。両親の共働きが当たり前でも子どもを預ける施設が足りない、子どもが小学生になったら今度は学童保育を探さないといけないなど、両親にとってはかなり苦しい期間が続いていきます。
それでいてさらに税金がアップして収入が減れば、心に余裕のある子育てはとてもではないですができません。
そしてこの現状が見えている状況では「子どもは作っても1人まで」「そもそも結婚したくない」「将来の見通しが暗い」など、出生率や結婚への意欲にまで影響を与えるといえるのではないでしょうか。
今回起ったことは非常に稀なレアケースというわけではなく、日本全国どこでも起こりうる問題です。
そのあおりを受ける子どもたちには何の罪もありませんので、子どもがいつまでも笑顔でいられるように、大人がしっかり頑張らないといけないですよね。