タイガーウッズ復活の軌跡

最近タイガーウッズがマスターズで14年ぶりに制覇した。今勢いを伸ばす選手B.ケプカやD．ジョンソンに１打差という成績で優勝した。

タイガーウッズは生後９か月でクラブを握り、２歳にのころにはすでに才能を発揮し、南カリフォルニアでは有名なプレイヤーとなっていた。

アマチュア時代には全米アマチュア選手権、全米ジュニア、アマチュア選手権で全人未踏の３連覇を達成した。プロに転向してからは１９９７年、マスターズ初優勝。このとき若干２１歳であり、史上最年少での優勝であった。

その後も史上最年少での賞金王を獲得した。２０００年には全米オープン、全英オープン、全米プロゴルフ選手権でメジャー大会で３連覇を果たす。その後、ダブル・グランドスラムを達成し、３２歳にしてトリプルグランドスラムを達成するのだった。

もう彼に敵はいなかった。彼はゴルフ界の神のような存在になり、彼のためにゴルフがあるようなものだった。日本でもタイガーウッズブームがおき、彼のファッションを真似してナイキの黒いキャップを被る物が続出した。

可愛らしい顔と、誠実そうなタイガーに日本中の人がすっかりハマったのだった。そんなタイガーに異変が起きたのが２００９年の不倫スキャンダルからだった。十数人もの女性と遊んでいたというタイガーの報道に世界に激震が走った。

その後、車の事故を起こし、様子が変だったことから薬物使用の疑いをかけられてしまう。それをきっかけにすべてのツアーを無期限の欠場になってしまう。ゴルフの神からスキャンダルの腫れ物に落ちてしまったタイガーに、世間の目も一気に冷ややかになり、そのうちに注目もしなくなった。

スキャンダルから４年後、プレーヤーズ選手権で優勝するがすぐにけがをしてしまい、マスターズを欠場してしまう。その後の試合も棄権をして、そのうちに成績も下がってきた。フェニックスオープンでは最下位という初めての屈辱を味わうことになる。

もう彼はゴルフへの復帰は難しいだろうと誰もが思っていたが、彼はあきらめなかった。薬物使用の容疑をかけながらも、試合に復帰していく。２０１８年に完全復帰を果たし、復帰して間もなく上位に食い込み周りの期待がいっきに高まっていった。

しかし、優勝までとはいかず、ファンはいつタイガーの完全復活が見れるか、見守っていた。そしてマスターズ。ついに優勝し、タイガーが完全復活したのだった。これまで地獄を見ながらも、コツコツと努力を重ねてきた彼の笑顔を見たときは涙が止まらなかった。